愚安亭遊佐(ぐあんていゆうざ)
愚安亭遊佐(ぐあんていゆうざ):作品紹介
 

作品紹介

「人生一発勝負」

原作:松橋 勇蔵/脚色・構成・演出:結 純子

 

 愚安亭遊佐が33才の時に始まったこの作品は、62才となった今も続いている。

 この30年の間に、芝居は、それ自体が生きもののように変わってきた。役者の心の変遷が、主人公の心の動きに、照り返り、死んだはずの母の実人生へ、突き進んでゆく。もはや、芝居の世界を越えて、混沌とした一人のなまなましい女の生き方が現れてきた。

 そして、役者の年もまた、死んだ母の年に近づいてゆく。

 

 八人の子供を育て、定置網の親方の女房になった明治生まれの女が語る一代記。

 北海道苫前のニシン場の親方の長女として生まれ、夢のような幼年時代を過ごしたミキ。彼女が十三才の時、父を海の事故で、母も病で後を追うように相次いで亡くし、人生が一転する。

 叔母を頼りに弟と二人、やっとの思いで青森に辿り着くが、そこで待っていたのは厳しい現実だった。

 

◆平成十一年度(第五十四回)

 文化庁芸術祭 演劇部門 優秀賞受賞

 二時間に及ぶひとり芝居でありながら、的確な演技力、簡素な舞台によって常に観客を惹き付け、豊かな劇的想像の世界を喚起したその技量が評価された。ことに姉弟が青函連絡船の待合室で一夜を過ごすシーンなどが見事であった。

 この舞台成果には、主演以来二十年間におよぶ千百回を超える上演の蓄積と、その上演を支えた全国津々浦々の人々の心もこめられている。(受賞理由より)

 

人生一発勝負百年語り


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