愚安亭遊佐のひとり芝居は、彼の故郷の言葉「下北弁」で語られる。笑いの中に涙があり、怒りがあり、そこには下北の海、臭い、人々の心情が見る人の体を抱きしめるかのような肉体感をもって迫ってくる。 8作あるひとり芝居の中で、下北の海を舞台に、母をモデルとした「人生一発勝負」、父をモデルとした「百年語り」、巨大開発に揺れた六ヶ所村の漁師たちをモデルにした「こころに海をもつ男」の三つの作品を下北三部作として、全国各地で公演を重ねている。その公演回数は1979年の初演以来30年間で、すでに1,200回を超えている。(2008年現在) その代表作ともいうべき「人生一発勝負」は平成11年度文化庁芸術祭 演劇部門優秀賞を受賞した。
現在、愚安亭遊佐が公演可能な作品の一覧です。
「人生一発勝負」:明治、大正、昭和を、北の海で、力強く生きた、母の物語。 (1979年8月初演)
「百年語り」:関根浜の自然を愛し、共に生きた海の男の「語り残さなければならない歴史」。 (1982年7月初演)
「こころに海をもつ男」:時代の波と開発に振り回されながらも、海にたいする思い入れと、人に対する優しさを忘れなかった海の男の物語。 (1986年6月初演)
「鬼が唄」:誰の心にも鬼が住む。その鬼を抱えて生きる男の情念の物語。 (1991年7月初演)
「OOOKAMUY オオカミ」:狼は大神、古代の民にとっては正に神であった。アイヌの人々は「オーセ・カムイ」と呼ぶ。 (1992年12月初演)
「アテルイ」:草木虫魚獣鳥と共に在り、天と地の狭間に生きたアテルイ。その名は伝説の闇に閉ざされたが、魂は時を越えて生き続ける。 (1993年10月初演)
「飯沼さんへの手紙」:死ぬってなあに?二度目の出会いの時、90才の飯沼さんはそう尋ねた。その問いに答える為にできた作品。 (2000年10月初演)
「角海浜物語」:今は誰も住まぬ、荒地の浜。かつては240軒、1,000人が住んでいた。時代が、原発問題が、人を追い払った。その浜の、最後の住人の物語。 (2001年5月初演)
「三味線婆ちゃん」:地獄、極楽、丁半かけて、弥陀にとられて、丸裸。他力信心を命を張って生きた、野の念仏者。 (2008年11月初演予定)
◆チェルノブイリの子供たち(1998年〜89年)3ケ所:12回公演
原作:広瀬 隆 脚色・演出:松橋 勇蔵
◆ホクトーヴァ・プロジェクト 祭(1995年)7ケ所:7回公演
作・演出:松橋 勇蔵
◆ホクトーヴァ・プロジェクト 祭(1996年)8ケ所:8回公演
作・演出:松橋 勇蔵
◆熊がカミだったとき(2003年)2ヵ所:2回公演
作:松橋 勇蔵 演出:愚安亭遊佐 |
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