愚安亭遊佐(ぐあんていゆうざ)
愚安亭遊佐(ぐあんていゆうざ):作品紹介
 

作品紹介

「こころに海をもつ男」

作・演出:松橋 勇蔵

構成:結 純子

愚安亭遊佐(ぐあんていゆうざ):こころに海をもつ男

 かつて、「日本列島改造論」という暴論が、日本全国に吹き荒れた。青森県六ヶ所村も、そんな中で巨大開発予定地に名指しされた。工業開発のバラ色の夢が、村人の心を、もてあそんだ。しかし、その開発はやってこなかった。そのかわり、その開発に隠されていた別の意図が表面化してきた。

 今まさに、下北半島は原子力半島と化しつつある。

 そんな中にあってなお、海を愛し、海で生きようとする、漁師の魂を失わない男がいる。そして、一人、文明に対立し続けている。

 

−海に対する思い入れと、人に対する優しさを忘れなかった海の男の物語−

愚安亭遊佐(ぐあんていゆうざ):こころに海をもつ男

 下北半島の六ヶ所村は、漁業が盛んなところであった。雪の多い冬場は出稼ぎにゆかなければならなかったけれど、皆、仲むつまじく、おもしろおかしく暮らしていた。そこに、むつ小川原巨大開発が振りかかり、全村移転、漁業権放棄、矢継ぎ早に問題が吹き荒れる。村はかって、経験したこともない時代の波に翻弄される。

 その時代の波にのまれ、海を捨て、不動産屋の手先になり、金と女に狂った男がいた。

 そしてある日、不動産屋の手先としてこき使われ、捨てられたことに気付く。失意の中で男は首を吊る。

 しかし、鴨居が折れ、男は一命をとりとめる。そんな状況でありながら妻と口論となり、首を締めて殺そうとする。

 今わの際の妻の一言に、男は我にかえる。

 そして、海で生きる決意をする。

 

ピアノ付バージョン

 ピアノ:田山 ひろみ

百年語りこころに海をもつ男鬼が唄


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