「鬼が唄」 作・演出:松橋 勇蔵 縄文笛:柴田 毅 開発の名の下に、破壊されてゆく村、家族、夫婦。 人間関係に疲れ、死の際まで追いつめられた男が、見いだした光明とは、大地の底から、海の彼方から、響いて来た声の中にあった。忘れかけていた先祖の生き方、血の叫びが崩れかけた男の心を、よみがえらせてゆく。 それは狩猟採集民の末裔だという思いもよらない自覚だった。
−異界・土俗の彼方から愛(ことだま)を持って魂を揺さぶる− 鬼とは権力にまつろわぬ者。そのまつろわぬ者を排除する為に捏造された幻想が鬼。しかし、その実体は、心優しく、誇り高い。 北の海岸地方には、はるか昔から、心優しく、誇り高い人々が生きていた。海と自然と共に生きていた。そこに中央から権力を持ったものがやってきて、支配しようとした。言うことを聞かぬと鬼と呼んだ。 鬼は鬼であることを自覚し、まつろわぬ者として、生きようとする。
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